「だからなんだ!?」

「残忍で有名な奴だ…派閥の人間も多い、あの子の事は諦めて騒ぎになる前に逃げ…痛!?」

そこまで話したところで、掴んでいたラックの掌に鋭い痛みが走った。
そしてそれと同時に掴んでいた手を思わず離してしまう。

「あ…まっ……!?」

気がついた時にはもう、カミヤは目の前から消え、二人の元へと走っていた。
慌てたラックも急いで後を追いかける、だがカミヤは……迅い。

二人との距離がどんどん狭まっていく。
30…20…10
やり取りをしている二人の内、女の子の方はカミヤが近づいてくるのに気づき目線を動かしたが黒髪の少年は気付かない、そして…

「ぶっ飛べぇええええ!!!」

黒髪の…レビィと呼ばれた少年の後頭部に、カミヤのドロップキックが炸裂した。