「ん…?血抜きだよ?抜かないと身分証が作れないだろう?」

何を今さら?といった表情を学園長は浮かべるがそれで納得できるはずもない。
よくわかってないまま両手を取られると片方に薬品が塗られ始める。

「あの…さっきの説明になってなかったんですけど?」

さっきから嫌な予感しかしていないカミヤの表情がどんどん曇る。
しかしその質問で今行われている行為が止まるわけでもなく、代わりにこんな回答が返ってきた。

「君は…渡した資料を読んでいないのかい?」

瞬間、力を込めて抜け出そうとしていたカミヤの動きが止まる。
そして今度は別の理由で表情が曇り始めた。

「あ、あー…いや色々ありまして、いやダルかったとかじゃなく本当に色々ありましてぇえ゙痛!?」

弁解しようとして体に力が抜けた瞬間注射器の針が刺さる。
血が抜かれ針が抜かれた後、作業を続けながら学園長は口を開く

「やれやれ…私にこれだけ喋らせるのも珍しい。」