二人は前を歩く学園長の後ろをついていく、正直とんでもなく目立つので視線が痛いしそれになんとなく他の人との距離が…遠い。
「………。」
その何とも言えない空気感にカミヤはやりづらそうになるべく眼を合わせないようにするが、前と横を歩く二人はまるで気にならないように歩みを進めていた。
…というか話しかけれるような雰囲気でもないし
「さぁ着いた…ここで君の身分証を発行するとしよう。」
学園長が歩みを止めた場所は沢山の扉が並ぶ廊下の一番手前にある場所で、扉の上には『第1彫金室』なる文字が書かれている。
まぁそれをカミヤが読む術は無いのだが…
「さっき渡したカードは持っているね?」
「あ、はい…。」
呆けている様子を見て学園長は声をかけると、ハッとしたように我に帰り懐からカードを取りだした。
それを手渡そうとするも学園長はそれを遮り
「すぐに使うから持っていなさい…じゃ、入るよ…?」
幾つかあった扉の中で、割かし古い造りのソレはゆっくりと開かれた…。

