そこから続いた甘美な時間、一秒ごとに自分が飲み込まれるのがわかった。
あの方にとって、それは一時の気まぐれだったのかもしれない。
だがそれでもよかった、行為が終わった後、自分なんかと比べようがないくらいの場所にいるあの方に、『期待している』と言われただけであの方に俺の全てを奪われ、俺は一生を捧げると決めた。
代わりに与えられたモノは身を隠す為のフードと部屋。
もちろんここにも差別や偏見はある、寧ろ外よりも酷いだろう。
だが俺にはもう関係なかった。
身体を丸めないで、安心して眠れる場所と、生きる理由を貰えたのだから…



















これが、俺の過去。