いや…正確には浮かんでいた…か。 罵られ貶され毟られてボロボロになった羽は、無意識の状況でも頼りなくパタパタと動いている。 撃ち落そうと商人や町の護衛兵が投石機を用意しているのを見て遠目に見えた森目指して必死に逃げた。 ……… …… … 「ハァ…ハァ……」 -森の中- 血と埃だらけになった躰を空から見えた泉で洗い、痛んだ羽を休めていたところで俺は、あの人に出会う。