泣きながら開けてとドアを叩く自分、答えない声
うずくまる俺に投げつけられたのは、石。

隣の家の、いつも挨拶していたおばさんが、遊んでくれた近所のお兄ちゃんが、読み書きを教えてくれた先生が、今まで見た事が無いくらい冷たい眼で俺に罵声と石を浴びせる。

『出ていけ!』
『汚らわしい!!』
『堕天が…』
『近寄るな!!』

両親から最後に貰った荷物を抱えて、裸足のまま溢れ続ける涙と一緒に必死で走って。逃げ続けて、
声も石も届かなくなって気がついた場所は村から離れた森の中。

帰る事は…もう出来ない。