「あー、それ?外側世界の事だよ。」

「外側世界?」

カミヤが指差した箇所は地図上で言う北西の端。
細長い大陸があるのだが地図の端っこで切れているのだ。

「この大陸…というか島なんだけどね。
島のほとんどが氷山で探査に行けないんだって。」

「…詳しいな。」

「授業で最初に習うよー。」

「…つまりこの世界地図は未完成ってこと?」

「うん、というか、これ以上は探査に行けないっていうのが本音なんだけど…。」

「?」

「…この世界地図、50年前くらいから更新されてないんだよ。」

彼女の話はこうだった。
この世界の両側は双子の海流が流れていて今ある探査船だと渡れないと言う事。
南も同様に渦潮が多く、北も地図を超える場所は天候が常に不安定で調査に行けないと言う事。

「(あぁ、この世界は大型の空路がないのか…あれ?でも学園長はドラゴンに乗ってたよな…まぁ町中にあんなんいても困るけど。)」

再び黙って考え始めたカミヤに、蛍は不満げな表情を浮かべる。