「いいなぁカミヤは……。」

自分よりはるかに大きな背中。
自分の為に選んでくれた商品達が次々と袋に詰められている中、レビィはあの日から心に芽生え続けた感情が言葉に出てしまう。

完膚なきまでに叩きのめされ、薄暗い独房で拘束されていた時に生まれたカミヤという男への『畏怖』

だが今となっては慕い、憧れている自分がいる。
そして…本人は気付いていないが出会う前に比べレビィの顔が信じられないくらい穏やかになっているという事…。

(もし…ボクが……いや、何を考えているんだ。)

とっさに頭をよぎった考えを振り払う。
一呼吸して、代わりにカミヤの服の袖をキュッと掴んだ。

「どした?」

「…別に。」

「…まぁ、いいけど。」

「…♪」

「あ、いたいたー。」

聞き覚えの声がして振り返ると、別れていた三人を見つけた。
どうやら目当てのものを買えたらしい。
アルビノの手を引く蛍の隣に紙袋を抱えるラックがいた。

「随分買ったなぁ、金足りたの?」

「うん、丁度セール中だったし…アルちゃんの分は二人で割ったからね。」