「とりあえず衣類を売っているエリアに行けばいいんじゃないかな?アルちゃんはどんな服が欲しいとかある?」

「ΣΣふぇ?」

『アルちゃん』と呼ばれた事に驚いたのだろう。
眼を白黒させて驚くとまたあわあわと焦って言葉を出せなくなってしまった。

「ん~…やっぱり可愛いのがいいのかな?まだ夜は寒いし上着も買わないと…」

「レビィももうちょい薄着を増やさねーとな、これから夏だし。」

「…夏は外に出ない……は?」

「ダメ。」

「…。」

ワイワイ騒ぎながら歩いていると、ファゴットの中でもひと際賑やかな場所に出る。
どうやらここが中心地のようだ、周りの至る所で大道芸や楽士たちが音を奏で、来る人の耳や目を楽しませている。
等間隔で立ち並ぶ露店からは様々な匂いが漂い、本来の目的を忘れそうになる客も少なくないようだ。

「よし、まずはアルのから探そうか。」