少しだけ早く起きたおかげで体が軽い。
寝室から出ると昨日騒いだ痕が散乱していた。

「そっか…あれから片付けしていなかったよね。」

一晩で多少は無くなったとはいえ、会場になったダイニングはまだ若干酒臭い。
それを手早く纏めると僕はキッチンに向う。
…なんだか懐かしい。
この学園に来る前、毎朝の食事の支度は僕の日課だった。
…まぁ兄さんが料理できないっていうのもあるんだけど…。

冷蔵庫を開けると、カミヤらしいと言えばカミヤらしい…ゴミ捨てやキッチン周りはキチンと整理されているのに冷蔵庫の中にある食材は袋に入ったままだった。

おみおつけを作っているあいだ、またぼんやりと考えてしまう。
…そういえば兄さん何してるんだろう?
手紙とか送ってなかったな…。

-キイィ。

奥の方で扉が開く音がした。
あそこはー…ラック君達が寝ている部屋だよね?

「ぁ…」

「…オハヨウ。」