Ⅹ-story-クロスストーリー



「あ…。」

「この子がか?」

半ば無理矢理ラックから引き離し、服の襟元を掴んで持ち上げる。
顔を真っ赤にしながらうなだれるラックをそのまま放置し、口に鼻血の後をつけた子供をジッと見つめる。

「………。」

「う…うぅ……。」

その顔が子供にとっては怖かったのだろう、じわぁと眼を潤ませるとどうにか逃げだそうと手をばたつかせる。
だが子供がもがく程度の力でカミヤを振り払えるわけもなかった。

「でも、どうするの?この子…人間、ではないんだよね?」

不安げに蛍が話しかける。
目の前で小さな子供が血を舐めていた事が相当ショックだったのだろう。
普段は甘えてくる立場のレビィが来ている服をキュッと掴むその姿は酷く弱々しい。
同様に戦闘経験の豊富なレビィも子供を警戒していた。

「とりあえず…これ(口の汚れ)拭くか」

天然なのか周りの嫌な空気を払う為か、あえて緊張感の欠けるセリフを吐きながらカミヤは手をのばす。