その単語が口から出る寸前で蛍は息を飲む。
言えない…
せっかく出来た大切な仲間、こんな体の自分を認めてくれた仲間、それを裏切るような真似…
だがこのままカミヤ達と一緒に生活する上で、いわゆる『そういう人達』に真っ先に狙われるのは自分だという事を蛍は重々解っていた。
そのせいで三人が傷つくということも…。

(どうしよう…僕は…どうしたらいいんだろう…。)

「……ィ?」

(この体になってから、初めて出来た自分の正体を知っている人…
四人で一緒に生活できるならもちろん嬉しいし…でも…。)

「……イ??」

(僕が原因で、また三人が入院するような…ううん、この学園たらもしかしてそれ以上…うぅ、考えたくないよぉ!!)

「おい蛍ィ!!!」

「ΣΣンひゃう!!!?」

「んひゃうじゃねえよ、お前俺の話聞いてんのかよ?」

どうやら大分長い間考え込んでしまったらしい。
いつのまにか追いかけっこをしていた二人も集まっていた。

「ご、ゴメン…聞いてなかった;」

「おま……ハァ、ま、いいや。
さっき二人とも話したんだけどさ、蛍も俺の従者にならないかって話。」