「了解。」
「え?え??」
「わかった。」

1人状況を飲み込めていなかったが、隣にいるラックに手を引っ張られ、すぐに理解出来たようだ。
四人はテーブルと柵に足を掛けるとギャラリーの頭上を勢いよく飛び越える。
グラスの騒ぎとその光景で呆気に取られた人々は反応が遅れてしまった。

「…あ!!待って話を「ゴメン無理!!」

カミヤはレビィを、ラックは蛍の手を引っ張りながら四人は急いで食堂を後にするのだった。

………
……



「あ~あ…逃げられちゃったね。」

残されたギャラリーの内、一人がため息交じりに呟く。

「せめて名前くらいは覚えてもらいたかったのに…」

「カミヤ様の派閥が階級や三大勢力に捕らわれない無所属の派閥って噂本当なのかな?」

「蛍ちゃんが親しげに話していたから本当なんじゃない?」

「まぁ逃げられちゃったんだししょうがないよ、それよりもう一つの噂って知ってる?」

「もうひとつ?」

「ほら、最近雨の日に夜な夜な現れるっていう…。」