「ここって…。」

カミヤが連れてこられた場所、そこは以前学園長と訪れた彫金室だった。
相変わらず無駄にデカイ機械以外は何も無く、当然他に人はいない。

「彫金室だ、前にも来た事あんだろ?」

「ありますけど…ここで何をするんですか?もう俺プレート持ってますよ?」

同じような疑問はレビィも持っていたようだ。
この彫金室という部屋は本来入学時以外使わない部屋である。
と、いうよりここにある設備で出来る事がそれしかないのだ。

それを知っているからこそレビィはなぜカミヤを此処に連れて来たのかが解らないし、まだ慣れていないカミヤでもそれは解るのだろう。

「プレートは使わねえ、ただ上からの命令でな、お前にこの学園の仕組みを教えておけと言われたんだよ。」

そこまで言い終わった時、一瞬レビィの表情が険しくなった。
真後ろにいた為カミヤは気付かなかったが、対面のフライヤはすぐにそれを察知したのだろう。

「正直レビィがついて来る事は想定外だったんだが…まぁいい、さっさと始めるぞ。」