“ほれ”っと指を指した先はベッドの上、そこには黒猫状態のレビィが蛍によって毛づくろいされていた。

「…たしかに珍しい。
てか意外と仲良くなるの早かったね。」

嬉しそうに笑みを浮かべるカミヤに蛍も笑顔で返す。

「あの後いっぱいお話ししたんだよ、今度ウチのお店にも来てくれるって!」

「へぇそりゃよかったな、レビィも見繕ってもらえば?
いつもまっ黒じゃん。」

初夏だというのに長袖長マントの恰好しか見たことが無いので、その事はカミヤも気にしていたようだ。
だがレビィはどうにもモノクロ以外は着たくないらしい。
二人がかりでどうにか説得しようとする様子を見ていたフライヤは思わず吹き出してしまった。

「?、どうしたんですか?」

「いや…ほかの生徒に話しても誰一人信じねえだろうなとな。
“あの”レビィがこんなに他人に懐くなんてなぁ。」

“しかもカミヤはともかく格下の生徒にまで”
そう付け加えた時レビィは被っていたいた帽子をより深く被ってカミヤの後ろに隠れてしまった。
その顔は耳まで真っ赤で、照れている事が誰の目から見ても解る。
それをみたフライヤは更におかしそうに笑うのだった。

「さ、て。
俺はもう仕事に戻る、カミヤ、お前は明日退院だ。
他も全員問題ない、全員出席しろ。
特にカミヤ、お前の場合は授業以前にする事が山ほどあるからな。」

そういうとフライヤは教室を後にした。