「あの時…ボクは生まれて初めて怖いと思った…」

淡々と語るその口調からは憎悪や殺意を感じられない。
どう出ればいいのかを悩むカミヤをよそに、レビィは話を続ける。

「人を従えることが楽しくて、先生生徒問わずに従えてたのにさ。
林でカミヤに追われてた時、踏み付けられた時に自分が感じていた感情を理解する事すら出来なかったよ…
…アレが怖いって言うんだね。」

「……だったらなんで俺に興味が湧くんだ?怨まれる事はあっても食事に行くような仲になりたいとは思わんだろう?」

「…わからないんだ。」

「は?」

「フライヤに捕まって、牢屋にいる間しばらく震えていたよ。
このボクが…ボロ切れみたいな毛布に包まってさ、見回りに来た看守に精神異常かと疑われたくらいさ。
で…震えが止まった時、自分について考えるようになった。」

「……それで?」

「結論を言うと…ボクは未完成なんだ。」