「え?」
「は?」
「……。」


3人はぽかんとした表情を浮かべるが黒猫は関係ないとばかりに目の前で毛づくろいを始める。

「なぁ…この世界には喋れる猫がいるのか?」

他の2人から少し離れた位置にいたカミヤが黒猫を指さしながら質問するのだが、別に喋れること自体は珍しい事ではないらしい。

「別にそんなもん魔物にもペットにもなるような動物にでもいくらでもいるよ。
そんなことより今の声…。」

学園生活の長いラックには一瞬でその正体がわかったのか、さっきまでのふざけた雰囲気は無くなっていた。
周りの空気を感じ取ったのか、毛づくろいをしていた黒猫も再び口を開き…

「ふーん…この姿でもわかるんだ、流石だね…。」

少しだけ楽しそうな表情を浮かべると黒猫だった者は人へと姿を変える。
前足は腕に…後ろ足は両足に、漆黒の毛皮は漆黒の衣服へなりながら。
そしてその男はカミヤに最も「縁」があり、蛍とラック、二人に最も怨まれているはずの生徒…






「…レビィ。」