「ハァ…。」

ベッドと最低限の家具だけというシンプルな大部屋。
人が1人で使うにしては大きすぎるまでの室内で、カミヤは一人考えていた。
その表情は期待に溢れていた夜とは違い不機嫌に満ちている。

「来なきゃよかったかな…。」

「キュ~?」

成り行きで一緒に付いてきてしまった子狐を撫でるもその表情は冴えない。
どうしてこうなったかというと、話は学園に着いた時まで遡る…。