キィイ・・・

まだ外は雨が降っている。
買ったばかりの服を抱えてカミヤは病室へと帰って来た。

「遅かったじゃねえか。」

不満そうなラックとユナがベッドの上で出迎える、いつの間にか本の山は綺麗に整理されていた。

「あぁ…ゴメン。」

「…?なんか元気ないね?」
「キュ?」

「いや…なんでもないよ。」

自身が見た、不思議な映像。
あの子はなんだったのだろう?
人間の子供に見えた、錯覚だったのか?

ただ道ですれ違っただけだというのに何故か気にかかる。

「………。」

あの子はなんだったのだろう?
止まる事無い雨の夜、その日は中々寝付けなかった。