家の外へと出ると、ランプの主は口笛を鳴らす。
すると鈍い羽音と共に降りてきたのは自分と同じ漆黒の体をした…龍。
驚くカミヤをよそに、ランプの主は平然として

「私のペットだ、乗りなさい…30分もすれば学園へとつく。」

「あ…ハイ、あ、ちょっと待ってください。」

「何か?」

「その…名前を…まだ聞いてなかったから。」

最もな疑問なのだがこの人にとっては何故か新鮮だったようだ。
黒龍にまたがったまましばらく考えているとにっこりと微笑んで

「そうだね…私は『マナ』と言う、だが学園では学園長と呼んでくれよ?
他の生徒に示しがつかないのでね。」

この時、マナと言う人の印象は穏やかで…ほんの少し寂しそうな印象を受けた…
そしてそのことを妙に同調してしまう自分を不思議に思いながら、カミヤは龍の背にまたがる。