…チチチ……。


「…ん……?」

鳥の囀りで目を覚ました場所は、周りを岩場に囲まれた小さな砂浜だった。
体全体を包む疲労感と、海水を吸って張り付いた服が重い。

「ここはどこだ…?伊豆?」

ゆっくりと起き上がり、砂まみれになったTシャツを脱いで辺りを見渡すも今いる場所がどこなのか全く解らない。
なんとなく見覚えはあるのだが…

「グ……。」

シャツと同じく砂まみれになった体を祓ってみると、どころどころ擦り傷はあっても大怪我ということは無いようだ。

「なんで俺こんなことになってたんだっけ…?」

海水で体と衣類を洗うとどういういきさつでこうなったのか考え始める。
しかし…

「……?」