始めは小さな噂話。
時間が過ぎて、それは少しずつ少しずつ広まって行った。
そしてその命がこの世に生まれた時、それが真実なった。
白銀の髪と…血色の如き紅い目…生まれながらに赤ん坊は眼を開いていた。

『化物の子を孕まされた女がいる。』
『化物の子がこの村にいる。』

噂は二つになった。
そしてすぐに行われた処理。

『化物は殺そう。』

それはすぐに行われたのだが、不幸にも子供は殺されなかった。
いや、殺せなかったのだ。
どれだけ斬っても、刺しても、首を絞めても、火にかけてさえも…


母親が身ごもった化物の持つ性質…不死。
その血統を受け継いだ子供は当然死なない、いや死ねない体を持ってこの世に生を受けた。

『化物の子がこの村にいる。』
『化物の子は死なない』
『どうすれば死ぬ?』