「とりあえず…ほら。」

まだペタンと座ったままの蛍に向けてカミヤは手を差し出す。

「あ、ありがとう…。」

少しだけ顔を紅くしながらおずおずと差し出された手を握るとゆっくりと立ち上がる。
軽くついてしまった誇りをポンポンとはたくと照れくさそうに笑った。

「あ、ハハハ…恰好悪いところ見せちゃったね。」

「いや…別に気にしてないけど。
えーっと…じゃあ蛍が見つくろってくれるの?」
 
「え?あ、うん。
僕のセンスでいいのなら。」

って言っても期待しないでよね?
と念押しされるもカミヤにとってはこれ以上ないアドバイザーである、なにせこの世界に来て初めての買い物なのだ。
それが多少なりとも知り合いで、しかも年齢が近い人からの助言ならほぼ間違いないだろう。

「えーっと…じゃ、おまかせします。」