「えーっと…。」

「ひ、久しぶり?」

驚いた表情で目を見開く相手に、なんて声を掛けたらいいのか分からず語尾に変なイントネーションがつく。
店内を流れるオルゴールに似た音楽と送風機の回る音が妙に大きい、お互い見つめあったまま止まった時間を動かしたのは店長だった。

「何してるのだよ?」

「うぉわ!?」
「きゃあ!!」

突然二人の間に現れた店長に驚いて、蛍は思わず尻もちをつく。
痛そうに箇所を撫でるも、そんなことはお構いなしと言わんばかりに店長は話を続ける。

「この子がさっき言ったアルバイトの子なのだよ、好きに使うがいいのだよー♪」

それだけ告げると店長はまたどこかへ行ってしまった。

「好きに使えばって…。」

何をどう使えと心の中で突っ込みつつ、とりあえず目線を蛍へと移すのだった。