「で、買いたいものは服なのだよ?」

「あー…とりあえずは…。」

制服以外着る物が全くないからな…と、よく考えたら自分の部屋にあるクローゼットを開けてすらいない事に気づく。

(…ま、全部買っとけば問題ないだろ。)

代金は分割にすることにして、とりあえずは品物探しをすることにした。
日常使う一通りの衣類が欲しい事を告げると店の奥にある階段を指差して

「この下が洋服売り場なのだよ、もう少ししたらここでバイトをしている子が来る。
しばらくは一人で見ているがいいのだよ。」

言われるがまま、カミヤは下の階へと下りる。
入り口のあるフロアも相当大きかったのだが、地下室のせいなのか此処はさらに一回り大きい。
壁や床の全てが木と石で構成されていて、白いランプに照らされた衣類が所狭しと並んでいる。

「おぉ…。」

期待以上の品ぞろえに、カミヤは思わず感嘆の声を漏らす。
そしてやや速足で店内を散策し始めるのだった。