『助ける』という単語に喜びを露わにしようとしたが質問と言う単語に一瞬だけ戸惑いを覚える。
だがランプの主から出された質問は予想とは全く違う単純なもので

「キミは…私を見て怖がらないのかい?そこの動物のように」

「え…?」

ハッとしてカミヤは振り向くと、一緒に眠っていた子狐はいつの間にか背中と本棚の隙間に隠れ小さく丸まっている。
まるで何かに極端に怯えるように…誰かに見つからないように。

「どうなんだい?正直に言ってくれて構わないんだが。」

カミヤは小さく震える狐を抱きかかえると撫でながらなんと言おうかを考え

「別に…不思議な雰囲気の人だなとは思うけど…怖いとは思いません。」

嘘は言っていない。
なにか特別なオーラを持っているということは本能的に解ったが自分に敵意を向けられている訳ではないので恐れる必要が無かった。

「そうか…変わった子だね…行く当てはないのだっけ?」

「あ、ハイ。」

「そうか…なら私に付いてくると良い。」

「…?どういうことですか?」

「私はとある場所で学園を経営していてね…そこにキミを入学させたい…嫌かな?」