戸惑うラックをよそにフライヤは合図を出す。
すると森の奥から次々に医療班らしき人間達が現れ始めた。

「これは…?」

「そこの小生意気なのが目覚めたら伝えろ。
夕べ刺されたレビィの取り巻きが眼を覚ましてな…今回の件でカミヤに掛けられていた嫌疑は不問になった。
今ここに呼んだのは正規の医療班だ。」

『不問』…その言葉にラックは心の底から安堵する。
が、それは予断を許さないカミヤの状況を見た事ですぐに消え失せた。
まだ終わっていないのだ。

「先生…カミヤは……カミヤは治りますよね?」

点滴を打たれ、タンカへと運ばれるカミヤを不安げに見詰めると隣にいるフライヤに問いかける。
だがその質問を聞いた後何故かフライヤは嬉しそうに笑い。

「フン……あれだけ人間不審者だったお前が他人の心配をするとはなぁ…」

「な!?違!!それは……!!」

真っ赤になって訂正しようとするも、誤魔化す言葉が見つからずアワアワとするラックを見て愉快そうにフライヤは笑う。
そして頭に手を乗せ、クシャクシャとさせるとラックに対し『任せろ』と一言告げ医療班の対応の高速化させる為大声で指示して行くのだった…。