ボロボロになって倒れている二人。
一目で激戦と解る、なぎ倒された木々と抉れた地面。
そして二人が倒れている場所…巨大な穴になっていると共に、表面が焼け焦げていた。

「…!!カミヤ!!!」

呆気に取られるものの、すぐに自分のすべき事を思い出しカミヤへと駆け寄っていく。
返事はない、意識を失い、体中から出血しているものの辛うじて呼吸はしているようだ。
すぐ傍で倒れているレビィは意識があるものの眼に光は無く、体を縮こまらせ震えていた。
錯乱しているのか…?何回か呼びかけたものの全く耳に入っていない様子である。

いずれにしろ二人ともこのまま放っておけば間違いなく命を落とすであろう状況。
時間が無いのは明白だった。

「何か……なんとかしないと…こんな状態で動かせないし…。」

ラック自身も軽いパニックになっているのだろう。
額に嫌な汗を掻きつつ持っていた布でとりあえず止血を試みようとした時後ろから肩を叩かれる。

「!!?」

バッと振り向くとそこにいたのはラックにとって、数少ない学園での味方と呼べるであろう人物…

「…フライヤ先生」

「随分な挨拶だな…クソ餓鬼。」