「…な……何を…!?」

恐怖と混乱でもはやレビィにまともな思考など無かった。
この男を包んでいる何か…殺意？悲哀？憎悪？憤怒？またはその全て…？そのどれとも似かよっていてどれとも違う感情。

「お前のおかげで…おぼろげだが少しだけ思い出した。
自分が無くしていた記憶…思い出さなくてもよかったような内容だったがな…。」

ポツリポツリと呟くカミヤの言葉を聞くほど今のレビィに余裕はない。
だが『何か喋っていた』口を閉じるとレビィを抑えつけていた圧迫感が頭から消えた。
しかしそれに安堵するより先に己の首を掴まれる。

「ヒィ…!!……!?」

もはやレビィに反抗する気など消え失せていた。
やられるがままに体を反転させられ、否応なしにカミヤと目線を合わせられたのだがそこで異変に気づく。

「……な…に……その目…？」

「……？」

カミヤ自身に自覚は内容だった。
だがレビィの目に映るそれは先ほどまでと明らかに違う瞳の…色。
神話や物語の世界で神々に表現される色…金。
それは美術品などに興味のないレビィにも素直に『綺麗』と感じ取ってしまう…。

「…何を言っているのか解らないが……俺が今したい事は一つなんでな…お前と同じ言葉を使ってやろう。





『自分から死を請うほど、壊してやる』。」