爆発から数分後、未だカミヤの居場所を探す生徒達の目が自分達の持つプレートや学園のいたるところに配備されたモニターに止まる。

-学園裏林にて小規模の竜巻が発生-

凝視する生徒達の中に、カミヤを知る人が2人いた。
1人は、記憶を失っているカミヤにとっても、この男にとっても初めての友達と言える存在…ラック。
そしてもう1人。
二つに括られた髪を揺らし、クラスメイトと戯れながら臨時ニュースを見た…




……蛍。
だがお互いにカミヤを知る者同士でも、事態を知る者と知らぬ者ではニュースの受け取り方が全く違っていた。
プレートを家に忘れたらしい、緊急通達も知らなかった為追撃にも参加せず流れたニュースもただの事故と受け取ってしまった蛍に対し、連行される様子を目の前で見ていたラックは大凡平常心ではいられない。

頼まれていたにも関わらず逃がしてしまったユナと同じく、自分も森へと向かう為最短距離の窓から飛び出そうとした時、目の前に予想してなかった人物が現れる。

漆黒の長い髪を靡かせた、自分が仕える主…



「な…何故貴方が…」