「ユナ!!!?」
飛ばされ木の幹に激突したユナに返事は無い。
気絶してしまったのか、それとも…
心臓の鼓動と不安が加速する中、地面にうつ伏せになったユナがよろよろと動きだす。
「や…メロ……お前が…来て何になる…?」
途切れ途切れの声で逃げるように伝えるもそれが耳に入らないのかユナは聞こうとしない。
小さな爪と牙…尾を精一杯逆立てて、仮にも野生で生きて来た以上、それが聞かないと解っているのに。
逃げて欲しいと願うカミヤ、だがそれと同じ意見をレビィが持つはずが無かった。
「…下等生物の癖に……僕に噛みついた…?」
向こうを向いている為表情を見る事は出来ないが、自分が今やられた事に不快感を持っている事は明らかだった。
そしてカミヤは後悔する。
自分がユナに命令をしてしまった事を聞いてこの男がどうするか、容易に想像できたはずなのに何故…
「………決めた。」
「おい…おま…え…や…」
「…こっちから殺そ。」
「!!…~~~っ逃げろおぉおおぉおおお!!!!!」
……
…
-am9:32
学園裏林にて小規模の竜巻が発生。
被害者、犠牲者の確認をー…

