キイィーン!!!…
「な…。」
「……。」
廊下中に響きわたる金属音、それがカミヤを切り裂いた音では無い事は明確だった。
憲兵としては、先ほどまでの動きを見てカミヤが避けると思い勢いよく振り下ろしたのだろう。
しかしカミヤは反対に…距離を詰めたのである。
当然通常よりも力を込めて下ろされた腕が止まるはずも無く、最悪の事態を予感して憲兵は目を瞑ったのだがその予感は目の覚めるような金属音で崩れる事となる。
「ったく危ねえな……ま、でもこれで…
金属音の正体、それは今までカミヤの動きを封じていた手枷の繋ぎ目、鎖だった。
距離を詰め、封じられた両腕を頭より上まで持ち上げ相手の槍を鎖に当てる。
言ってしまえば簡単な事だがそれがどれほど勇気のいる事か、実際に振り下ろした憲兵は口をパクつかせ信じられないという表情をしている。
…手枷が取れる。」
実際は完全に断ち切った訳では無く、鎖の一部に切れ目が入っただけだった。
しかしカミヤは一度深呼吸をし、脇を締め拳を握ると両腕に力を込める。
「…ァアア…ガァアアァアアア!!!!!」
右と左、真逆の方向へ力を加えられ、傷つき切れ目の入った鎖はミシミシと音を鳴らしやがて…
-パキン。
…完全にその役目を失った。

