-寮内・廊下-

「………。」

重苦しい空気の中、四人はゆっくりだが確実に部屋から遠ざかり、学園へと続く渡り廊下へ差し掛かった時、カミヤは目の前を歩く大きな背中を相手に問いかける。

「先生…質問をしてもいいですか?」

「なんだ?」

「このまま俺が拘束されて、疑いが晴れなかった場合はどうなるんですか?」

この問いかけにフライヤの回答は無言、言う必要が無いと判断したのか、それとも言ってはいけないのか。
どちらにしてもその後ろ姿から発せられる雰囲気が、自身を納得させるような答えを貰えない事をカミヤは容易に感じ取れた。
しかしそれと同時に、フライヤが自分の部屋に来た時からずっと感じていたもう一つの疑問が頭を駆け巡る。

「もう一つ…何故先生は俺に対して一度も敵意を向けないんですか?」

しかしこの質問に対してもフライヤの回答は無言だった。
沈黙の中、四人の足跡だけが響く廊下でカミヤはフゥっとため息をつく、そして意を決したように目線を今までよりもしっかりとフライヤの背に向けて

「じゃあ…最後の質問です。
さっき言ってた派閥って全部でどれくらいの数があるんですか?」