「え?」
「な!?」

信じがたい内容にカミヤとラックはその言葉を直ぐに受け入れられない。
だが二人が反応、行動するよりも早くフライヤの後ろにいた二人の憲兵がカミヤの動きを止めた。
長い棍棒で両側から行動範囲を制限された状況でフライヤはカミヤの鳩尾に拳を入れる、だがそれは気絶させるものではなく動きを鈍らせ、ある程度話すことが出来る為に加減したものである。


「!!?……な…んで俺が?」

「目撃証言があってな、それと…今緊急治療を受けているその生徒、昨日お前が黒板消しを当てた相手だ。」

前進に脂汗を掻きながら途切れ途切れに話すカミヤとは対照に、フライヤの口調は冷静そのものだった。
なるべく言葉に感情を乗せないように、ただ淡々と質問に対する答えを話していく。

「その目撃証言は誰からなんですか!?」

怒りを含めた様子でラックが詰め寄ろうとするものの、憲兵がそれを許さない。
目線のみをギョロっと動かすと、フライヤは口を開き。

「テメェに話す必要はねぇ…巻き込まれたく無いんなら今日は此処で大人しくしてるんだな。」

「な……うわ!?」

「ラック!?」

フライヤが指パッチンのような動作をすると同時に、ラックは突き飛ばされたかのように後方へと弾かれた。