「さて…これからどうする?」
一息ついた所でカミヤが蛍に問いかける。
「えー…っと、僕はこれから帰ろうと思うけど…あ、そうだ。」
何かを思い出したかのように蛍は足元に置いてあったカバンを取りだすと、中から自分のプレートを取りだした。
そしてそのプレートをカミヤに向け。
「お互いのプレートを交換しませんか?」
ニコッと笑いながらそう蛍は言うも、何の話をしているのかカミヤは全く解らない。
呆気に取られる相手を見て蛍はカミヤにも自らのプレートを出させ。
「このプレート…個人データの交換、保存が出来るんです。
やり方は僕が教えますね。」
そう言うと蛍はカミヤのプレートの上に自分のプレートを重ねた。
すると蛍のプレートは電子音のような音を立てて光りだし、次いでカミヤのプレートも光りだす。
「(ケータイのアドレス交換のようなもんか…?)」
元の世界の似たような光景を思い出すと共に、カミヤは懐かしさを感じていた。
だが元の世界と同じように、このやり取りは時間を必要としないらしい。
「はい、終わりましたよ。」
時間にして数秒、それだけで情報伝達は終わったようだ。
その言葉にハッとするとカミヤは首を上げた。

