「見た所歳も近いみたいだし…話を聞く限り学年も同じみたいだしさ。」

「え?でも…。」

多分僕より年上じゃ…と、言いかけたところでカミヤが口をはさむ。
そして自分がどういった経緯でこの学園にいるのかを説明した。

「そうだったんですか…海を漂流して記憶を…ってよく生きてましたね;」

この時自分が特待生だという事をあえて言わなかったのはカミヤなりの気遣いだろう。
あきれ返る蛍を受け流しながらもここまでの流れによって、お互いの警戒はほぼ完全に解けたようだ。

「あー、で…呼び方なんだが…。」

「あ、全然いいですよ。
呼び方は特にこだわって無いので」

「そう?じゃあこれからそう呼ぶわ、よろしくな、蛍…あ、あと俺もさん付けはいいよ。」

この世界はどうも年齢なんか関係ないみたいだし、とカミヤは笑う。
そしてそれは学園で様々な種族を見て来た蛍も同じだったらしい。

「そう…ですね、なら僕もそうします、よろしく…カミヤ。」

「……おぅ。」

(敬語も別に良かったんだが)そんな事を考えつつ、まだぎこちなく自分を呼び捨てにする相手を可笑しそうに笑うのだった。