*前回のあらすじ

怪我を負ったカミヤは転職してカウンセラーになりました(違)


ズズー…ゴト←茶を飲み干した音

「………あの…?」

「……ちょっと待って…あぁ、うん…よし。
つまり話を纏めるとー…貴女は男で風邪引いたお兄さんの薬を貰うついでに自分も診察してもらってー…出された薬を飲んだら次の日そうなったと?」

手で頭を押さえ、恐る恐る聞かされた内容を聞き返す。
できれば否定して欲しかったのだが相手が首を縦に振ってしまった為、それは真実なのだろう。

「…やっぱり、信じてくれるわけないですよね。」

アハハと気を自分の紛らわせるように乾いた笑い声を出す。
だがそれも当然の事なのかもしれない。
薬を飲み、たった一晩で完全な性転換が起こるなんて現象は記憶を失っているカミヤにとっては勿論の事、この世界でも全くと言っていいほど聞かないのだろう。
下手をすれば頭のおかしい子だと、いじめの対象にされても不思議では無いのだ。
頭を抑えたまま沈黙しているカミヤを見て、それに耐えられなくなったのか、やがて蛍は頭を伏してしまった。

「いや…信じるわ。」

「え?」