「おぉ…。」
正直キツネの案内など半分信じて無かったのだが目の前に家が現れたんだから信じるほかない。
「キュキュ?」と首を傾げる子狐を抱き上げると満面の笑みで
「お前凄いな!!ちゃんとついて来てよかったわぁ!!(ダキ)」
「ΣΣグギュゥウウ~!!(ジタバタ)」
あぅあぅと暴れながら手足をバタつかせるキツネをよそに抱きしめたままカミヤは玄関のベルを鳴らす、しかし…。
「……出ないな、そもそも使ってんのか?この家。」
見た感じそこまでボロボロではないのだが、中から人の気配はせず正直無人だろう。
勝手に入ろうか入るまいかを悩んでいると腕の隙間から抜け出したキツネが肩に乗りドアをペチペチと叩く。
「…入れって?」
「キュン!」
まぁ誰か来ても中にいても謝ればいいかと思い、カミヤは扉を開けた。

