教室を出たカミヤは、騒ぎを聞きつけ同じく教室を出て様子を見に来たラックと落ち合う。

「あ、カミヤ…なんかデカい音がしたんだけどあんた平気なの?」

「え?あ、あぁ…うん。」

「…なにその曖昧な返事?」

「体は平気よ、体は。」

その一言で二人並んで廊下を歩いていたラックの足がピタッと止まる。
そしていきなり肩を掴まれ

「まさかとは思うが…もう問題起こしたとかじゃないよね?」

「………いやぁ…ハハ、ごめん。」

否定してくれる事を願っていたが、その希望はアッサリと打ち崩される。

「~~~っ…バカ!!!!!」

その声があまりにも大きかったせいで、周りを囲んでいた談笑の声が止まってしまった。
代わりに二人には話し声の主全員から視線を向けられる。
そして先ほどまでの笑い声や雑談とは打って変わり、ヒソヒソと耳打ちするような雰囲気になるのだった。

「あ……カミヤ、ちょっとついて来て。」

その視線に耐えられなくなったのか、人が集まってくるのを感じ取ったラックはカミヤを連れその場から逃げるように立ち去るのだった。