「「レビィ様!!」」
その場からカミヤが少し離れたところに下がったことで、取り巻きらしき生徒達がレビィの元へ駆け寄る。
「………っ。」
「さて…」
その生徒達に支えられながらようやく立ち上がってカミヤを見ようとするともう既に教室から出て行こうとする所だった。
「何処へ…行くのかな?」
その呼びとめにカミヤは目線を戻すと
「何処って…さっきのはお互いなんだから“あいこ”だろ?
なら終わった事だしここで授業無いんなら俺は此処にいる理由がないじゃんか。」
そのまま出ていくカミヤの後、教室に残ったのはなんとも形容しがたい空気。
カミヤ本人は“あいこ”と言った、だがそれが正確で無い事など現場を見た者なら誰の眼にも明らかだろう。
先に攻撃したのは自分、互いに一発づつ攻撃したものの不意打ちで魔法を使った自分に対してカミヤはその魔法を受けた上で素手での攻撃を自分に与え腰を折らせたのだ。
幸いだったのはレビィのグループ以外の生徒がほぼ教室に残っていなかった事だろう。
仮にあのままカミヤが勝ち名乗りを上げていたのなら自分はあの男の支配下となっていたかもしれないのである。
そんな状況下で従者の者たちに支えられている自分を置き去りに教室から出て行ったカミヤに対し、レビィがまともな精神でいられる筈がなかった。
「……殺してやる…。」
教室の中に、少年の声が小さく響く…。

