無言で、更に相手との距離を保ちつつ、自転車をこいでコンビニへ向かう。

コンビニに着くとすぐに俺は雑誌を手に取った。

やはりネットで仕入れた情報ばかりで、なんの役にも立たない。

とりあえず、男性向けのヘアスタイルの雑誌を手にした。
スナック菓子も手に取り、レジへ向かう。

そこには先客が居て、俺と同じ顔がニヤニヤしていた。
「お、やっぱそれ買うんだ。」
「…悪いか?」
「いやぁ?ちょうど読みたかったからラッキーと思って。
 それに、たまに買ってるだろ?今日は買うんだろうなーって、そんな気がした。」

行動を読まれていたようだ。
悔しいとか腹が立つに近い感情が渦巻いて、顔をしかめた。
「恐ぇー顔。だからモテないんだよ。」
「…うる、さいっ…。」
なるべく相手にバレないように平然と返事したようにしたが、絶対苛立っていると分かっているに違いない。

無言で会計を済ませる。
店員のお兄さんは複雑な顔で見ていた。
それが余計に神経を逆撫でして、完全に無視して店を出た。

だから嫌なんだ。
双子なんて。

もう二度とこのコンビニは行かない。
この男と一緒に帰ることもしない。
チャリ通(自転車通学)も止めようかな。

双子に対しての嫌悪感。
どこまでも真剣に考えてしまう。