ACcess -縁-

いや、コレは…?
「おい、お前…。
 そこで待て。…ちょっとどいてろ。」

握られていた手を振り解き、ソレの前に立つ。

追い掛けてきていた、ソレに向けて軽く回し蹴りを放った。

耳障りな雄叫びを残し、一瞬にしてソレは消え、代わりに目の前がキラキラと光っていた。

オレはソレを倒した。
そう、戦闘に勝ったのだ。

「…。」

なんだか分からないが、文句を言わなければ気が済まなかったので、オレは勢いよく振り返ったら…
「わーっ!恐かった!びっくりした!ありがとうありがとうっ!」
「…!?
 ちょっ!お前ぇっ!やめろおぉ!」
ソイツも勢いよくオレに飛びついてきた。


とりあえずソイツを無理矢理引き剥がした。
「ありがとうありがとう…!」
「寄るなぁっ!少しは離れろっ!」
引き剥がしたのに、またくっついてこようとするソイツを必死で押し戻した。


少し高い声で、操作をしているのは少年なんだろうな…と簡単に想像が出来た。

それに動きや装備、あとは長年の勘から演じて(ロールして)いなければ…。

「…おい、初心者。」

それにピクンと反応した。

「な…なんで分かるの?」

やっぱり。
急に謝れだのなんだの…そんな事はどうでもいいような、謝罪しろと言う気持ちは半減した。

子供だな。
ほっとくのが一番。

それに、オレはTwin Bee。
片割れでも、通り名は健在だ。