階段を一段ずつ

ゆっくりゆっくり下りていく。


好奇心と恐怖心・・・

でもわくわくの感情が強かった。



―――ひたっ。ひたっ。



裸足のあたしの足音が

金属でできているであろう

階段に静かに響く。



どこまで続くんだろう・・・。

ブタはどこへ??



長い階段を下りきってそこに見えたのは




ピンク色の扉。



「派手だな・・・・・」



ピンク色のドアの

ピンク色のドアノブに手をかけ、

ゆっくり引いてみる。


びっくりするほど簡単に開いた

その先に見えたのは、


ピンク色の部屋。


蛍光色の。



目をチカチカさせながら

部屋を見渡していると、


「・・・・・あんた~」


急に声を掛けられ驚いているあたしに


「この部屋を出たいの~?」


と続けて話しかけてきた。


ピンク色のイスに座ってる、

髪も服も靴もタイツも

ピンク色のおばあさん!!!!!



派手!!!怪しい・・・!!!



「この部屋を出たいの~?」


また言ってる。


「まあ・・・・・そうですね・・・・・

 あとブタ・・・・」


と言いかけたあたしに


「この部屋をでるには~

 あんたがあんたの人生の中で~

 一番ハッピーだったこ~とを

 話せばいいよ~」


とピンク色の老婆が歌うように言う。



不思議なことに白っぽいと思っていた

シルクのワンピースは

真っピンク色になっていた。