すごく酔ってしまった次の日の朝、

目が覚めると知らない部屋だった、

なんてことは何度かある。


その日限りの恋を楽しむのだ。


ただ、淋しさを紛らわすための恋を、

あたしは後悔してもいた。



でも、恐怖したのはこれが初めてだった。



ふわふわした

綿雲に乗ったような気分から覚めて、

まず目に飛び込んできたのは、

真っ白な毛皮。



あれ・・・あたしどうしたんだっけ?



あたしは上半身を起こして、

ぼやけた視界でその毛皮を見た。


シングルサイズと思われるそれは、

あたしが横になっていた部分だけ、

つぶれて流れが変わっていた。



あたしは周りを見渡した。



何もない、真っ白な世界。



あたしはあたしを見下ろした。



シルクのようなワンピースを身に着けている。

自分の持ち物でないことは一目見て分かる。



どこ、ここ。

なに、この服。



あたしは事態が飲み込めず、

立ち上がってうろうろした。



そうだ、携帯・・・!



白い世界を行ったり来たりしたけど、

携帯も財布も手帳も、

自分のものはなにも見つからない。


ふつふつと汗がにじみ出てきた。



誰か・・・!誰かいないの!?



そのとき、どこからか物音が聞こえた。