扉を開くと愛しい人の後姿。

ゆっくりとこちらを振り返って瞳が私を捕らえた。
そして唇が動く。


「小春ちゃん?」

「…日和」

「どうしたの?いきなり図書室に来てなんて」

さっきよりも大きく心臓が跳ねる。
落ち着いたはずなのにまた手が震えてきた。
日和はキョトンとした顔で私を見ている。

「あのね、話があって…その……」

もう心臓がドキドキしすぎておかしくなりそうだ。

「私、その…好きなの…日和のことが」

「どうしたの?私も小春ちゃん好きだよ?」

「違うの!私は日和のこと、友達としてじゃなくて…あの、私はあなたに恋をしてるの!」

言ってしまった。
きっと日和は困った顔をしているんだろう。

ごめんね日和。
あなたが野田くんのことを好きになりかけてるのを知っているのに。
でもね今しかないの。
だってあなたが本当に彼のことを好きになってしまってら私はあなたにこの気持ちを伝えることもできなくなってしまうから。
こんな私を許してね。
神様お願いします。
私のこと大嫌いでもいいから、一度だけチャンスを下さい。


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