お父さんとお母さんが離婚してから1年近くたった時にお母さんに彼氏が出来た。

初めて家に矢野さんが来た時は驚いた。


お母さんより若いし何と言ってもチャラチャラしている。
もっと真面目だと思っていたから、言葉が出なかった。
最初は遊びにくるだけだったが、そのうち住み始める事になった。

それで今に至る。

お父さんとは呼べないが、お母さんも笑うようになったし“一見落着”なんて思ってたら、


お父さんはまだお母さんの事が好きらしい…。


お母さんを今でも好きなお父さんと、
アタシとお兄ちゃんと彼氏の世話をするお母さんも大変なんだと思う。



そんな事を思ってる間に中学校の目の前に着いた。

「帰りはかいくん(お兄ちゃん)が向かえに来るから一緒に帰りなさい」
お母さんは窓を開け、真歩に言った。


「は〜い。じゃあ行ってきます」
真歩はお母さんに手を振ってから、1年6組の教室まで走って行った。