(てか…いい家住んでんねー贅沢モンめ)
エレベーターから上層階に着き、マツリはキョロキョロと辺りを見渡す。
天井の照明も、床の綺麗さも、全て高級感の象徴のように思う。
マツリのアパート家賃6万7千円の庶民らしさを微塵も感じないどこか冷たい造り。
いくらピンポンを鳴らせど出て来る気配はなく、玄関の鍵があいていたので声をかけ侵入した。
「森崎くんのお母さんいらっしゃいますか?」
恐る恐る探れば―――
「うわ、マジ来た」
生意気な声。
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