自分は白い目で見られて悩んでいると言うのに、そのトラブルメーカーは悠長に夕日の中で青春キスを味わっているのだ。


(むかつくむかつくむかつく森崎)

それに最近マツリは彼氏と別れた。

マツリが苛々しているからと別れを告げられたのだ。

言うまでもないが、苛々の根源は森崎リキである。


(むかつくむかつくクソガキめ)

呪文のように頭で一人の生徒を呪いにかかる。



と、ばっちり目が合った。

「見てんじゃねーよ」と口パクしている。



(ああ、だめだ)


マツリが森崎を苦手な原因は、何も問題児だからというだけな訳ではない。

彼が、あまりにも容姿端麗だからだ。