「主任…」

あれだけ小声を垂れていた学年主任が、まさか自分を見直してくれるとは。

本当にリキには感謝しても感謝しきれない。


「私は同僚からも尊敬される先生……

主任、私、素敵な年上の頼れる彼氏を作ることが夢だったんです。

今、叶いました」


マツリは主任の手をとった。


本当にリキには感謝だ。

リキのせいで彼氏と別れ、リキの問題行動に悩んでいた春。

小声を言いながらもガラスの破片を一緒に片してくれる主任を好きになっていた。


―――だから“素敵な年上の頼れる彼氏を作ること”が加わったのだ。


ずっとずっと好きだった。主任に認めてもらいたくて、リキをどうにか改心させてやりたかった。

本当はマツリは主任がずっと好きだった。