「黒染めして、ピアスは嫌。眉生やして。それから制服もあんまアレンジしないで」

「……はあ?!嫌だね」

むくれるリキに構わず、マツリは駄々っ子のように首を振った。

「やだー格好悪い彼氏なんかやだー!!!」

これが惚れた弱みだろうか。
年甲斐ないマツリの喚く姿を、リキは不覚にも可愛いと思ってしまった。


なので、「無理だ」と言ってみた。


「…禁煙して禁酒して門限9時ね、暴力振るったら別れるから!!

あと苛々短気は嫌、マーは大人なリキに甘えたい!!」

頬を膨らまし、上目使いで自分を見るマツリ―――



「仕方ねえな」

寛大さを見せ付ける為に、リキは呆れた笑顔を作ってみせた。